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愛媛県 西条市 9/26  


93歳とは思えない元気なおばぁちゃんから、力強く言われます。
「マンションの隣の住人も知らないような人もいるのに、北海道の人と出会えるなんて、それだけで奇跡のようなこと。あなたは奇跡を繰り返しているんです。」

またある人は、

「生物学の視点では、この世に生をうけたことからして奇跡的。」
という方もいます。

だからということはありませんが、頭をさげます。
出会いと別れの数だけ頭をさげます。
感謝やお礼の想いや意味は当然ありますが、ほとんど反射的に頭をひたすらさげます。
そしてその度、なにか気持ちが晴れていきます。

およそ1ヶ月ほど前にお世話になったおじいちゃんと、はじめて顔を合わせた時のことです。
いつものように深々と頭をさげます。
実はバックパックの食い込むような重さで、一度頭をさげると、自然にゆっくりと深く頭がさがってしまいます。

それにこたえるように、80歳をこえる人生の大先輩もゆっくりと深く頭をさげます。
少し先に、自分が重さを感じながらゆっくり頭をあげると、おじいちゃんも合わせるようにゆっくりと頭をあげます。
目があう高さまで待ってから会話をしようとおじいちゃんを見つめています。
ゆっくりゆっくり頭をあげると、一度目があいます。
話そうとしたその時、今度はおじいちゃんの目線が上にずれていきます。
ゆっくり空を見上げると、そのまま後ろにころんでしまいました。

幸い、頭は打たずにすんだのでホッとしたのと、こんな若造に深々と頭をさげてくれる人柄にひかれたのをおぼえています。

やっと秋の風が曇り空の下にだけ吹いています。
田んぼと田んぼの間に、まるで赤い粉をまぶしたようにヒガン花が囲むように咲いています。
日中はやはり30℃をこえますが、いつのまにか先週まではっきりと聞こえたセミの声は、耳をすましても気配すら消しています。

毎年この季節になると、日本を上から見下ろすイメージをします。
北海道から紅葉がはじまり、赤い絨毯が北から南へと流れていく様子です。

スタジアムで見る、人のウェーブのように、まばらであって、大きな流れが、秋と冬の境目のような気がします。

いったいどの街で、赤い絨毯に追い越されるのか、そんなことを思いながら歩いています。
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