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山形県 鶴岡市 7/21  
2007 日本徒歩縦断の旅 (全34話)

*当時、友人を中心に旅の経過報告をメールで送信していたのを、東北に入ってから応援していただいている方が、ブログを用意してくれました。
そのため、ルート途中からの旅日記になります。

山形県 鶴岡市 7/21_e0151344_121157.jpg



今月8日からフェリーで青森県に入りました。
歩き続け山形県は3日目になります。

ブログの準備を完成させてから、この旅に出ればよかったと思うこともありますが、途中から始まることもまた、自分らしいと思いつつ、更新のペースもマイペースに綴りたいと思います。


昨日、本州に入ってからたまった歩き疲れをとるために初めての休日、明日には新潟県に入ることもあり、大好きになった東北を思い返します。

国道7号線沿いは北海道で多く見られる松の背より、ずっと高く立つ杉が、走るトラックをミニカーのように見せてくれます。
湿度の高さは、歩道に生えるシダ植物や、暑さの昼間、空気を食べるように吸い込むことで念を押されます。

最も好きな木のひとつの赤松が、杉の合間にみえたときは、いつも
「よしっ今日も見た」
と声を出さずに言って、少しニヤけながら歩きます。
北海道の北竜町にいたときに、田植えの季節だったのが、膝上くらいまで育ってます。
稲穂が風の向きやうねりを教えてくれます。
見渡す限りの田んぼは、横に走る道を隠していて、まるで田んぼを横切るようにトラックや軽トラが走ります。

なぜかかわいらしく見えて、ニヤニヤしながら歩きます。
秋田県を歩いていたある日、そんな景色にスタンドバイミーが合うのでは?と携帯で聴きます。

イントロで小さな橋に着きました、対岸で真っ黒に日焼けした高校生くらいのスポーツ刈の青年が、幅3メートルくらいの小さな汚いドブ川で釣りをしてました。
「こんなとこで釣れるのかよ…」
と思いながら、橋を歩きます。
少年はリールを回していて、きっと諦めたんだなと思いました。
橋を渡りきるころ、回したリールの糸の先に、小さなシシャモみたいな魚がピクピクとついてました。
「すげぇー!」
思わずでた、その言葉と、聴いていた曲も
「ダーリン!ダーリン!…」
と盛り上がり、まるでスタンドバイミー2を見た、そんな嬉しさが足取りを弾ませます。

そして今日、久しぶりの休日のおかげか、足取りもいつも以上に軽く、久しぶりに見渡す限りの田んぼを歩きます。
遠くに見える山は白っぽく、緑の絨毯が敷かれているみたいです。

サギがエサを探しにいます。

サギはとても警戒心が強く、何かの気配がするとすぐに飛び立つと聞いたことがあります。
目で簡単に追える大きな翼の動きと、ゆっくりと飛ぶ早さが、東北で出会った人たちのおおらかさや、優しさを重ねたりして、柔らかい気持ちになった気がします。
「虫の知らせだから休みな」と言って、弘前でバッタリ会い、宿泊先を用意してくれた、東京に住む先輩
立ち寄ったカフェで二言三言話しただけなのに、何度もコーヒーをごちそうして足止めしてくれて、さすがにそろそろ出ようとしたら、「倉庫だけど野宿よりましだから今日ぐらい、ゆっくり休みなさい」と言ってくれたオーナー

野宿の用意をしたあと、日記を書くためのペンライトの灯りを不審火と間違ったことで出会い、真夜中なのに「家で休みなさい」と言って泊めてくれた家族
脚を引きずりながら歩く姿をみて、まだ進みたいから何度も(5回くらい)断ったのに強制的に?、泊めてくれた家族
できるだけ思い出そうとしながら歩いてました。

1時間ほど、田んぼだらけの道を歩き続けると、突然ポツンと畑があります。

「なんの野菜だ?」
よく見てもわかりません。
50メートルくらい先に、姿勢よく背筋をのばした女性がいたので聞こうと思い、少しだけ大きな声で

「すみませーん…」
・・・

次は張り上げるように

「すんまっ!…」

叫んだ途端に、カカシだとわかりましたが、途中まで叫んでしまいました。
恥ずかしくなり少しだけ、ただ立っていると、全く警戒せずにカカシの脇をサギがゆっくり横切ります。

そんなこともあります。


いろんなことを教えてくれ考えた東北に感謝と、少し名残惜しさを感じながらも、次の季節と次の土地が変わるなかで、これから出会う人や景色が、どんな毎日をくれるのか楽しみにもしています。



本州に入って初めての休日の場所と時間、集めている絵をくれた家族へ、せめてのお礼に黙って置いてきたお返しのはずの絵。
そのお礼に、わざわざ車で追いかけてきてくれお礼を言われました。
そんなこともあります。
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